LTE 450ネットワークは長年にわたり多くの国で利用されてきましたが、業界がLTEと5Gの時代へと移行するにつれ、LTE 450への関心が再び高まっています。2Gの段階的廃止とナローバンドIoT（NB-IoT）の登場も、LTE 450の採用を促進する市場の一つです。
その理由は、450MHz帯の帯域幅が、スマートグリッドやスマートメーターサービスから公共安全アプリケーションに至るまで、IoTデバイスやミッションクリティカルなアプリケーションのニーズに最適だからです。450MHz帯はCAT-Mおよび狭帯域IoT（NB-IoT）技術をサポートし、この帯域の物理的特性は広範囲をカバーするのに理想的であるため、携帯電話事業者はコスト効率よく完全なカバレッジを提供できます。LTE 450とIoTに関連するメリットを詳しく見ていきましょう。
完全なカバレッジを実現するには、IoTデバイスが接続を維持するために消費電力を抑える必要があります。450MHz LTEのより深い浸透により、デバイスは常に電力を消費することなくネットワークに容易に接続できます。
450MHz帯の最大の差別化要因は、その長距離通信範囲です。これにより、通信エリアが大幅に拡大します。商用LTEバンドのほとんどは1GHz以上、5Gネットワークは最大39GHzです。周波数が高いほどデータレートが高くなるため、これらのバンドにはより多くの周波数帯域が割り当てられますが、信号減衰が急速になるという欠点があり、高密度な基地局ネットワークが必要になります。
450MHz帯はスペクトルの対極に位置します。例えば、オランダほどの規模の国では、商用LTEの完全な地理的カバレッジを実現するために数千の基地局が必要になる場合があります。しかし、450MHzの信号範囲の拡大により、数百の基地局で同じカバレッジを実現できます。長い間影に隠れていた450MHz周波数帯は、現在では変圧器、送電ノード、監視用スマートメーターゲートウェイといった重要なインフラの監視と管理のバックボーンとなっています。450MHzネットワークはプライベートネットワークとして構築され、ファイアウォールで保護され、外部と接続されています。そのため、その性質上、サイバー攻撃から保護されています。
450MHz帯は民間事業者に割り当てられているため、主に公益事業や配電網事業者などの重要インフラ事業者のニーズに応えます。主な用途は、ネットワーク要素と各種ルーターやゲートウェイ、そして主要なメーターポイント用のスマートメーターゲートウェイとの相互接続です。
400MHz帯は長年にわたり、主にヨーロッパにおいて公共および民間ネットワークで使用されてきました。例えば、ドイツではCDMAが、北欧、ブラジル、インドネシアではLTEが使用されています。ドイツ当局は最近、エネルギー分野に450MHzの周波数帯を提供しました。法令では、電力網の重要機器の遠隔制御が規定されています。ドイツだけでも、数百万ものネットワーク機器が接続を待っており、450MHz帯はこれに最適です。他の国々もこれに追随し、より迅速に導入していくでしょう。
重要通信と重要インフラは、各国が環境への影響を軽減し、エネルギー供給を確保し、国民の安全を守るために取り組む中で、ますます法規制の対象となる成長市場です。当局は重要インフラを管理できなければならず、緊急サービスは活動を調整し、エネルギー会社は電力網を制御できなければなりません。
さらに、スマートシティアプリケーションの成長に伴い、多数の重要なアプリケーションをサポートできる耐障害性の高いネットワークが求められています。これはもはや単なる緊急対応にとどまりません。重要な通信ネットワークは、定期的かつ継続的に利用されるインフラストラクチャです。そのため、LTE 450の低消費電力、完全なカバレッジ、そして音声およびビデオストリーミングをサポートするためのLTE帯域幅といった特性が求められます。
LTE 450 の機能はヨーロッパではよく知られており、エネルギー業界は音声、LTE 標準、3GPP Release 16 の LTE-M、および狭帯域 IoT を使用して LTE 低電力通信 (LPWA) 用の 450 MHz 帯域への特権アクセスを成功裏に提供してきました。
450MHz帯は、2Gおよび3G時代において、ミッションクリティカルな通信における眠れる巨人のような存在でした。しかし、450MHz帯がLTE CAT-MおよびNB-IoTをサポートし、IoTアプリケーションに最適な周波数帯となったことで、再び注目を集めています。これらの導入が進むにつれて、LTE 450ネットワークはより多くのIoTアプリケーションとユースケースに対応できるようになるでしょう。使い慣れた、そして多くの場合既存のインフラストラクチャを利用することで、今日のミッションクリティカルな通信に最適なネットワークとなります。また、5Gの将来にも適合します。だからこそ、450MHz帯は今日のネットワーク導入と運用ソリューションにとって魅力的なのです。
投稿日時: 2022年9月8日
